2014年7月16日水曜日

韓国訪問記⑪

私はブラジリアン柔術というものを始めた。
今は白帯だけど、実力がついてくれば帯の色が上がっていく。

職場も自宅も横浜だが、先生と道場の仲間が好きで巣鴨まで通っている。
トライフォース柔術アカデミーという道場だ。

代表の早川先生はもちろん黒帯で、その強さはまるで異次元。
柔術の黒帯って本当にすごいんだなぁ。

今日もレギュラークラスに参加した。
生井さんは来なかった。
クラス後の掃除を終え、さぁ、シャワーを浴びて帰ろう。

ところが今日はどうも様子が違う。
「全員壁側に並んで。」

次のクラスに参加する人のことかな?

「更衣室に入った人も全員出て!」

まずい、誰か何かやらかした。
いや、気づいてないだけでその誰かは自分の可能性だってある。

さっきまで賑やかだった道場が一気に静まり返った。
誰もが早川先生が口を開くその瞬間にかたずを呑んだ。

そして・・・

・・・・に、・・・・を授与します。

 !?

・・サンに、・・帯を授与します。


「スンザンに、黒帯を授与します。」

ここは!?

スンザンが黒帯に昇格した!
ドッと湧き上がる歓声。
サプライズ授与式だ!!

この瞬間の喜びと興奮はあの時も今も変わらない。
先生とそれを祝福してくれる仲間がいる。

誰もがスンザンへの惜しみない拍手を止めなかった。

黒帯を取りに行く、早川先生。
その間にスンザンが私のところに来た。
「センセイ、ワタシハマダ…」

私はスンザンの肩にポンと手をやった。
彼は私の弟弟子だ。
心から祝福したい。

スンザンに総代表・早川光由から黒帯が巻かれる。

スンザンからのスピーチ。
頭の中が真っ白で何も言えないと言う。

しかし、スンザンを見る生徒さんたちの目は憧れと喜びに満ちていた。
スンザンはこの日、トライフォース柔術の黒帯となった。

~つづく~